感染症の流行により、これまでの人生の中で今ほど『距離』について意識したことはありません。
色々な施設のベンチには、距離をとろうという内容のものが等間隔に貼られているなど、距離をとることが日常になりました。
さて、今回は非言語的コミュニケーションの一つである『空間』についてお伝えしたいと思います。
個人の持つ空間のことを『パーソナルスペース』といいますが、私たちは人とのコミュニケーションを図るとき、その人との関係にあわせて適度な距離を保っています。
関係性と適度な距離について、具体的には以下の通りです。
・親密な関係:50cm以内 (恋人や家族などごく親しい人物)
・個人的関係:50cm~1mぐらい (友人やプライベートな関係で親しい人)
・社交的関係:1m~3mぐらい (会社の同僚などや公式的な人物)
・公的関係:3m以上 (相手と個人的な関係はなし)
この適度な距離が保てなくなると人は不安や恐怖を感じることがあります。
例えば、知らない人と狭いエレベーターで二人きりになると何かしら不安や緊張感がありますが、それが家族や恋人など親密な間柄であれば特に不安や恐怖を感じることはありません。
これは、このパーソナルスペースが、親密な間柄の人と初めて会う人とでは適度な距離が違うということです。
コミュニケーションというと何となく言葉でのやりとりが思い浮かびますが、空間のほか、表情・ジェスチャー・服装など、言葉を使わないものも沢山あり、言葉以外にも日々多くのコミュニケーションをとっていることを改めて感じます。
対面での会話を楽しむことが難しい今、他のコミュニケーションを磨いてみるのも良いかもしれません。
コロナで行動制限があった頃、いつも利用している交通機関がかなり空いていて、非常事態であることの怖さのようなものを感じさせられるとともに、一方で、人が少なくホッとするような気持ちもありました。
自分では通勤時に人がいることに特段緊張しているつもりはありませんでしたが、いなくなってみて、知らない人と近い距離にいる状況に対してある程度の緊張感のようなものを持っていたことに気づきました。
今後またどのようなことが起こるかわかりませんが、距離を意識しなければならないこのタイミングを、様々な距離や非言語的コミュニケーションについて考える機会にしたいと思います。
(スタッフ:木村)