札幌は運動会シーズンのようで、会社近くの小学校でも体育帽をかぶった子どもたちが音楽に合わせて団体種目などの練習をしていました。1年生の皆さんはきっと入学して初めての大きなイベントですね。
新年度がスタートしてもうすぐ2か月ですが、学生に限らず春から新たな集団(組織)で活動をはじめた方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、集団の危険性について考えていきたいと思います。
一個人では行動を起こせないものが、集団になると危険な発言や行動を起こすことが可能になることがあります。
これを『リスキーシフト現象』といいます。
例えば何年か前のハロウィンに渋谷で起きたようなことなど、一個人では悪いことだということが理解できても、集団になるとその悪い考えが特に悪いことだと思わなくなり同調してしまうことがあります。
また、そのようなこととは別に、AとBという2択の問題があり、自分では明らかにAが正解だと分かっていても、周りの人全員にBが正解だと言われると少し不安になり、Bが正解だと思ってしまう…という経験をしたことがある方はそこそこいらっしゃるのではないでしょうか。
このような現象は、個の存在が集団に影響されやすいことをさしています。
●普遍感
大勢の人と同一の対象に対して共通の反応をしていることによって安心感を感じ、正当性を信じるようになる心理。
●数の圧力
多数の意見に対して、それに同調することで安心感を得ようとする心理。
●感染説
感染症のように、一人一人に刺激が伝わっていくたびにその感情や刺激が大きくなり、最後には個人の考えなども無視されパニック状態におちいる心理。
●欲求不満説
社会生活を送る上で今まで蓄積されてきた欲求不満を、群集心理の中で解決しようとする心理。
●暗示・模倣説
伝えられた情報をそのまま信じてしまったり、他人の行動や考えと同じような行動をとってしまうという心理。
上に挙げたなかで『数の圧力』に関しては、自分を振り返って特に過去に思い当たることがいくつもあります。
例えば所属していた組織で会議中に発言する際、思っていることがあってもなかなか言えなかったり、自分の意見が少数派であるときには不安になったりしていました。社歴が浅いときが特にそうでした。
そんななか、普段の仕事中でも会議でも飲み会でも、どんなときも自分の意見を淡々と述べる方が身近にいて、とてもカッコいいなと思っていました。
当時はその方とさほど交流がなかったので周りにその方のことを聞いたところ、「彼は例えば会議なら、『発言しないなら参加してないのと一緒』って考えなんだと思う」と言っていて、自分自身その言葉で目が覚めたようなところがありました。
そしてよくよく考えてみると、彼は組織自体や組織が提供する商品・サービスをよりよくするには?という視点で常に発言や行動しているのに対し、自分は、間違えたら恥ずかしいとか少数派だから不安など、自分がどう見られるかやただ単に数の圧力におされているような場合が多いことに気づきました。
思ったことは何でもかんでも言えばよいわけではありませんが、その後から少しずつ、思うことがあれば特段躊躇せずに発言できるようになっていきました。
そして仕事・プライベートに関わらず多数派の意見や行動があったとき、それに対して抱く自分の違和感が強ければ強いほど、自分の意見を大切にした方がよいのではないかと個人的には思います。
短いスパンで見ると多数派にいた方が何かとよかったとしても、人生という長いスパンで捉えたとき、あのとき勇気を出して動いて本当によかったと思えることがあるからです。
集団に身を置いているときには、『個の存在は集団に影響されやすい』ということをまず頭におき、影響されている自分を感じたら『あ、影響受けてるけど想定内』と仕切り直し、よりよい未来ために動いていけたらと思います。
(スタッフ:木村)